共和党ブッシュ政権で米国太陽光市場が飛躍

 米国において連邦レベルで最も太陽光発電産業にインパクトを与えた政策は、「Investment Tax Credit(ITC)」と呼ばれる「再生可能エネルギー導入投資税控除」である(図2)。

図2●米国太陽光発電市場の導入量推移とITC法の可決年(出所:SEIA, GTM Research)
図2●米国太陽光発電市場の導入量推移とITC法の可決年(出所:SEIA, GTM Research)
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 ITCにより太陽光発電システムの購入者であるホームオーナー、発電所所有者、さらに、システムリースを提供するプロジェクトデベロッパーは、システム設置にかかった投資額の30%を税額控除できる、というものだ。実は、この政策は、共和党のジョージ・W・ブッシュ政権時代に可決し、活用が広がり、延長された。

 2005年エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005)のもとITCが法律化した時、
太陽エネルギー産業協会 (Solar Energy Industries Association:SEIA)は、「(当時)過去20年間で最強の太陽光発電政策を策定したブッシュ大統領と米国議会を称賛する」と讃えた。その後2008年に拡大・延長され、米国太陽光発電市場はまさに右肩上がりの成長を続けた。

 オバマ政権下でも、昨年末にブッシュ政権で拡大・延長されたITCを5年間、延長することに成功した。加えて、オバマ大統領というと、やはり5億3500万米ドルもの融資保証を出しながら、最終的に破綻してしまった米太陽電池ベンチャー、ソリンドラ(Solyndra)社を思い浮かべるのではないだろうか。