日本では固定価格買取制度(FIT)の買取価格が下がり、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の新規開発の規模が縮小している。一方、米国では、メガソーラーが含まれる発電事業用セグメントがさらに拡大すると期待されている。現時点で、2016年の年間導入量は10GWに達すると予想されている。今回は、このセグメントの価格とシステム動向を2つの最新レポートを照合わせて見ていく。

設置価格は前年同期比20%減

 米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL:National Renewable Energy Laboratory)が9月に2016年第1四半期における米国太陽光発電システム設置コストのベンチマークを発表した。

 それによると、同四半期における発電事業用太陽光発電所(100MW、固定型)の設置コストは1.42米ドル/W-DC・直流(1.79米ドル/W-AC・交流)で、前年同期比20%減となった(図1)。

図1●下がり続けるメガソーラーの設置コスト(出所:NREL)
図1●下がり続けるメガソーラーの設置コスト(出所:NREL)
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 この大幅減には、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者、またはデベロッパーによるスケールメリット(規模の経済)の追求が大きく貢献しているという。ちなみに、このベンチマーク(基準値)は、同研究所で収集されたコストデーターをボトムアップアプローチのモデリングで算出した数値である。