デベロッパー間接費が大きく削減

 システムサイズが10MWから100MWに拡大するにつれ、機材の大量仕入れ、労働者の(施工に関する)熟練度の向上、デベロッパーの間接費の減少などにより、さらなるコスト削減が達成されている。

 実際、数字で見てみると、10MWから100MWへのスケールアップで平均0.321米ドル/W-DCのスケールのメリットが現れている。うちデベロッパー間接費による削減が飛び抜けて大きく(削減全体コストの47%)、次に電気部品など、そして、ECPの間接費となっている(図4)。

図4●デベロッパー間接費の削減幅が大きい(出所:NREL)
図4●デベロッパー間接費の削減幅が大きい(出所:NREL)
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 NRELのデータによると、サイズに関わらず、1軸追尾型は、固定型に比べて約5%、コスト高になる。10MWにおいてのプレミアムは約0.1米ドル/W-DC、そして100MWでは0.07米ドル/W-DCになっている。同研究所の設置別データは、比較できる過去のデータがないのだが、米ローレンスバークレー国立研究所(LBNL:Lawrence Berkeley National Laboratory)は、モジュールテクノロジー別・設置型別データを発表している。

 LBRLの 5MW以上の地上設置型太陽光発電所を対象にした「2015年発電事業用太陽光発電」のレポートによると、2015年末までに稼働を開始した大規模太陽光発電は278基で、累計設置容量は9GWを超える。そのうち、約3分の1の83基・2.8GWは2015年に設置完了されたという。