「駆け込み」で2017年は市場拡大?

 しかし、この悲観的な見解を共有しないデータもある。

 SPV マーケットリサーチの創設者兼アナリストであるポーラー・ミンツ氏は、「プロジェクトがしばらく継続するのに十分な在庫がある」と述べ、2017年の米市場が縮小するのではなく、むしろ拡大する可能性が高いことを示唆している。

 実際、同社が発表した「グローバル太陽光発電市場の分析と5カ年予測2016-2021」では、2つのシナリオで上昇傾向が示されている(図2)。

図2●米国太陽光発電市場の予測
図2●米国太陽光発電市場の予測
(出所:SPV Market Research)
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 5カ年予測には、「弱気」「保守的」「加速」の3つのシナリオがある。 ミンツ氏によると、「弱気」予測では、太陽光パネルとセル価格の大幅な上昇や在庫の低迷などの要素が大きく影響するため、2017年の市場規模は前年を若干下回る。

 しかし、2017年の「保守的」と「加速」シナリオでは、市場成長率(年率)はそれぞれ36%と46%と上回った。 これらのシナリオでは、サプライチェーンに残っている在庫と、「関税逃れ」の駆け込みによる“パニック購入”が考慮されている。同社の2017年の市場予測は、「保守的」シナリオでは17.6GWで、「加速」シナリオでは18.9GWとなっている。