「DCリンク」は税控除の対象に

 「ACリンク」タイプは、メガソーラーと蓄電池は併設されているものの、個別のPCSを持ち、交流で送電し、充放電を行う。この場合、蓄電池は双方向(直流→交流、交流→直流)のPCSを持ち、制御機能が共有されていないため、メガソーラーから独立して運用できる(図4)。

図 4●「ACリンク」タイプ
図 4●「ACリンク」タイプ
(出所:NREL)
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 「DCリンク・双方向」タイプは、DC/DCコンバーターを通じてメガソーラーの電力を直流のまま蓄電池に充電する。メガソーラーと蓄電池はPCSを共有し、このPCSは双方向なので、蓄電池はメガソーラーと系統網のいずれの電力でも充電できる。

 「DCリンク・一方向」タイプの場合、DC/DCコンバーターを通じてメガソーラーの電力を直流のまま蓄電池に充電し、メガソーラーと蓄電池はPCSを共有するが、このPCSは一方向(直流→交流のみ)なので、蓄電池はメガソーラーの電力のみを蓄える。同タイプが分析に含まれているのは、米国連邦政府による「再生可能エネルギー導入投資税控除」である「Investment Tax Credit(ITC)」が同タイプに対して適用されるためである。

 ITCにより太陽光の購入者である住宅オーナー、発電所所有者、システムリースを提供するプロジェクトデベロッパーは、システム設置にかかった投資額の30%を税額控除できる。蓄電池単独ではITCを適応できないが、蓄電池を太陽光に併設し、 太陽光の電力のみを蓄える「DCリンク・一方向」タイプの場合ITCを利用できる(図5)。

図 5●「DCリンク・双方向」と「DCリンク・一方向」(下)
図 5●「DCリンク・双方向」と「DCリンク・一方向」(下)
(出所:NREL)
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