全米が壮大な天体ショーに沸く

 「グレイト・アメリカン・エクリプス(全米横断皆既日食)」――米国全土はこの日沸いた。皆既日食は、8月21日の午前10時20分ごろから西海岸オレゴン州で始まり14の州を横断し、東海岸のサウスカロライナ州で観測された。

 「一生に一度」のイベントとし、皆既帯に位置する町々には全米、世界の至る所から人が集まった。NASA(米航空宇宙局)を始め、テレビ、ネットでは、ほぼ3分刻みで起こる太陽が月で完全に塞がれる「完璧な闇」と太陽を取り巻く外層大気である「コロナ」のライブストリーミングを行った。

 その壮大な天体ショーを相手に、米国のグリッドは信頼性を保つことに見事に成功した。これは、電力会社、送電系統管理機関、発電事業者などの綿密な計画を立て、十分に準備が整っていたことによるだろう(図1)。

図1●8月21日に全米を沸かせた全米横断皆既日食
図1●8月21日に全米を沸かせた全米横断皆既日食
(出所: NASA)
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