自治体がよりクリーンな電力をより安く提供

 電力小売りが自由化されていないカリフォルニア州では、電力供給は民間電力会社に独占されている。しかし、2002年に成立した、コミュニティ・チョイス・アグリゲーション(Community Choice Aggregation:CCA)と呼ばれる法律で地方自治体が家庭用、事業用、さらに公共施設用の電力需要に対して、電力をまとめて購入し、供給できるようになった。

 クリーンパワーSF(CleanPowerSF)というNPO法人が設立され、5月からコミュニティの電力需要をまとめ、電力を調達し始める。サンフランシスコ市の電力は大手電力会社Pacific Gas & Electric(PG&E)が今まで独占で供給してきた。同法人によると、PG&Eが提供する電力プランは、現在、再生可能エネルギー比率が27%であり、月平均の一般家庭用電気料金は73.46ドルである。

 クリーンパワーSFは、2つのプランをコミュニティメンバーに提供する(図2)。「グリーン」は再生可能エネルギーの占める比率が35%、そして、もう1つは、「スーパーグリーン」と呼ばれ、100%再生可能エネルギーの電力からなる。

図2●クリーンパワーSFの2つの電力プランを説明する広告。大手電力会社PG&Eの電力プランとの再エネ率を比較(出所:The San Francisco Public Utilities Commission)
図2●クリーンパワーSFの2つの電力プランを説明する広告。大手電力会社PG&Eの電力プランとの再エネ率を比較(出所:The San Francisco Public Utilities Commission)
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 同法人の「グリーン」電力プランはPG&Eの電力プランより割安に設定されていて、コミュニティがよりクリーンなエネルギーをより安く購入できるようになっている。再エネ100%の「スーパーグリーン」でも、「グリーン」プランよりkWh当たりわずか数セント割高になっているだけである。