電気料金が高いとシステムも高い

 導入量と導入コストに必ずしも相関がないとすれば、州ごとに太陽光発電の導入コストの違いをもたらす要因がほかにもあるのだろうか?

 上記で述べたように、導入量とコストは強い「相関関係」がない。他には、州または地方自治体からの補助金有無、州の規制による人件費(施工)、競争率(施工会社数)、そして電気料金単価などが考えられる。

 これらの要素の中で、州の間で特に差が大きいのが、電気料金単価だ。

 下のグラフ中の青の折れ線は2016年の家庭用電気料金単価(ドル/kWh)を示し、棒グラフが2016年後期の太陽光発電導入コストを示す。一見しても分かるが、この2つの要素には統計学的にも強い相関に認められる(相関係数:+0.88)。

 つまり、電気料金単価が高ければ、システム導入コストが高い、または電気料金単価が低ければ、システム導入コストが低い、ということだ(図4)。

図4●米州別の住宅太陽光導入コストと電気料金(青の折線=2016年後期の導入コスト、オレンジの棒=2016年の電気料金)
図4●米州別の住宅太陽光導入コストと電気料金(青の折線=2016年後期の導入コスト、オレンジの棒=2016年の電気料金)
(出所:EnergySage=州別住宅用太陽光発電導入コスト、U.S. Energy Information Administration=家庭用平均電気料金単価)
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