導入量が多くてもコストは安くない

 ただ、「導入量が多い=低コスト化が進む」という図式は、必ずしも全州に当てはまらない。

 その典型がカリフォルニア州だ。同州は、米国太陽光発電市場で断トツのナンバーワンであるものの、導入ストが一番低いわけではない。下のチャートの青線は2016年のおける分散型太陽光発電の年間発電量を示し、棒グラフが2016年後期の太陽光発電導入コストを示す。

 カリフォルニア州の2016年後期における平均導入コストは3.38ドル/Wと、分散型太陽光発電の総発電量が約4分の1に過ぎないアリゾナ州よりも高い。さらに、このリストに入っている中で、最も分散型太陽光発電の発電量が少ないイリノイ、バージニア州よりも高い。

 さらに、このリストの中では発電量がカリフォルニア、アリゾナ州に次いで多い東海岸のマッサチューセッツとニューヨーク州の導入コストは、最も高くなっている(図3)。

図3●米州別の住宅太陽光導入コストと分散型太陽光発電量(青の折線=2016年後期の導入コスト、オレンジの棒=2016年の発電量)
図3●米州別の住宅太陽光導入コストと分散型太陽光発電量(青の折線=2016年後期の導入コスト、オレンジの棒=2016年の発電量)
(出所:EnergySage=州別住宅用太陽光発電導入コスト、U.S. Energy Information Administration=2016年の分散型太陽光の発電量)
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