導入コストは州によって大きな差

 エネルギーセイジ社は半年毎に、収集した見積もりデータを分析し、「ソーラー・マーケットプレイス インテリ・レポート」として発表している。このレポートで興味深い点は、全米のみならず、州別の導入コストのデータが含まれていることだ。今回のレポートに含まれている州は、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、イリノイ、メリーランド、マサチューセッツ、ニューヨーク、オハイオ、テキサス、バージニアの全10州となる。

 どの州でも前期から後期にかけて平均導入コストは低下したが、特に低下の大きかった州はバージニアだ。後期の導入コストは前期から14%減の3.02ドル/Wだった(図2)。ちなみに、同州の2016年における太陽光発電の導入量は192MWで、全米で17番目だった。しかし、導入量の大部分は、電力発電事業用の大規模太陽光発電所であった。

図2●米国州別住宅用太陽光発電導入コスト(棒は州別の2016年前期と後期、折れ線は2016年全米平均コストの前期と後期)
図2●米国州別住宅用太陽光発電導入コスト(棒は州別の2016年前期と後期、折れ線は2016年全米平均コストの前期と後期)
(出所:EnergySage)
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 アリゾナ州の平均導入コストは、2.97ドル/Wとなり、3ドル/Wを切った。同州の2016年における太陽光発電導入量は656MWで、全米で7位番目だった。導入量の約3分の1は住宅用システムが占め、同州の住宅太陽光市場(累積)はカリフォルニア州に続き、全米で2番目に位置する。

 低コスト化が進んでいるのは、住宅用システムに導入量、または普及率の高さを反映しているとも考えられる。