日本メーカーはトップ10からも外れる

 2015年トップ10リストには日本メーカーの名前はなかった。2014年は京セラがかろうじてトップ10でリスト入りしたが、シャープ、パナソニック、三菱電機、ソーラーフロンティアと、どの日本メーカーもトップ10入りを逃した。

 シャープはセル出荷量において2001年から2007年の間、トップの座を占めていた。SPV Market Researchの創立者・チーフマーケットリサーチアナリストであるPaula Mints氏によると、それは太陽光発電産業の歴史において、1メーカーがトップを維持した最も長い期間であるそうだ。その後、シャープは首位から陥落、トップ10ランキング入りしたのは、2012年の9位が最後になる(図3)。

図3●太陽電池セルの世界トップ10メーカー(2010〜2015年)
図3●太陽電池セルの世界トップ10メーカー(2010〜2015年)
(出所:SPV Market Research「Annual Photovoltaic Manufacturer Shipment report」)
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 Mints氏は、今後の日本メーカーの位置付けについてこう語った。「日本のメーカーは太陽光発電産業のパイオニアであり、京セラとソーラーフロンティアはプレミアム製品のメーカーと評価されています。しかし、日本のメーカーは今後も攻撃的な価格競争に苦戦を続け、日本(メーカー)が世界の太陽電池セル市場でシェアを拡大するのは、将来的にもほとんどありえないことでしょう」

 Mints氏によると、中国メーカーは、米国、メキシコや他の国で生産能力を拡大し、今後もトップ10リストを独占し続ける、とみている。ちなみに同氏のレポートでは、2015年末までの太陽電池の累積出荷量は215GWで、2023年には1TW(1テラワット:1000GW)に達するだろうと、予想されている。