水力と太陽光の「出力抑制」に現実味

 CAISOは、電力の需給バランスを調整する責任事業者、または系統運用者として、地域内の高圧送電を運用・制御しつつ、需給バランスを維持し、系統電力の周波数を安定化する。現在、カリフォルニア州の電力供給量の80%以上をまかなっており、総延長2万6024マイルの送電線を通じ3000万の電力需要家に対し、年間2億6000万MWhの電力を送電している。

 現在CAISOの送電網に接続されている発電設備の容量は計71.74GW。うち、再生可能エネルギーは28.5%を占め、太陽光発電はさらにそのうち約50%を占めている(図3)。

図3●CAISO内の電力供給構造(発電設置容量)
図3●CAISO内の電力供給構造(発電設置容量)
(出所:CAISO)
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 CAISOは、近日の水力と太陽光発電の拡大により、大規模な「出力抑制」が必要になると予想している。実際、CAISOでCEO(最高経営責任者)を務めるステファン・バーベリッチ氏は同機関の取締役員に「6000から8000MWに相当する出力抑制が(この春)必要になるかもしれない」と、メモを通じて伝えている。