サンパワーは付加価値戦略に移行

 このシステムのハード、ソフトの全てのコンポーネントは、同社がデザイン、開発、提供している。グローバル市場では、供給過剰により、セル(発電素子)とパネルの価格下落が続き、パネルの販売競争とマージン削減が激化している。そんな中、サンパワーは熾烈な価格競争から、付加価値を高めたシステム販売へ移行したとみられる(図4)。

図4●サンパワーの「オールインワン」化した住宅用太陽光発電システム
図4●サンパワーの「オールインワン」化した住宅用太陽光発電システム
(出所:SunPower)
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 さらに、サンパワーは全米に幅広く「ディーラーネットワーク」を構築しており、ネットワークは4階層(上から、「マスター」「エリート」「プレミア」そして「正規代理店」)からなっている。全米に400社以上のディーラーが存在すると言われている。

 カリフォルニア州南部サンディエゴ市に拠点を持つ太陽光販売店、センプラ・ソラリス(Sempra Solaris)社は、2016年に同州の住宅用太陽光販売でトップ10に入った。同社は、サンパワーの「エリートディーラー」である。今春、サンパワーから「2016年全米住宅市場トッププロデュース」と「2016年全米住宅用市場トップディーラー」の2つの賞を受賞した。

 同社の創始者の一人は元米海軍で、全国レベルで展開する施工会社に対抗し、「ローカル」を強調している。つまり、地元出身者、施工者による米国でデザインされた部材(サンパワーのパネル、PCS)にこだわる、地元に根付いたビジネスである。