米国では電力自由化は国一斉ではなく、州レベルで実施される。カリフォルニア州は電力小売自由化を試みたものも頓挫し、同州の電力需要は主に3つの地域大手電力会社で独占されている。カリフォルニア州北部地域をサービス管轄とする大手電力会社の1つであるPacific Gas & Electric(PG&E)は、今年度の初めに、「Solar Choice(ソーラーチョイス)プログラム」と呼ばれる電気料金プランを開始した。同プランでは、購入する電気の100%が、地元の太陽光発電で発電した電力となる。

 PG&Eは米国内で最大規模のエネルギー供給会社で、電力と天然ガスの両方を提供する。電力で540万軒、ガスで430万軒の契約数を持っている。サービスエリアは、カリフォルニア州の北部と中部地域となる。

 同社は太陽光発電の導入に積極的で、米国の多くの電力会社が加盟しているSEPA(Solar Electric Power Association:米国太陽発電電力協会)のデータによると、2014年の太陽光発電の年間導入量、累計導入量、年間系統連系接続数、累計系統連系接続数などで、米国でトップである(図1)。ちなみに、2014年までに同社の太陽光発電設備の累積導入量は4.6GWを超える。さらに、現時点で21万5000軒以上の分散型太陽光発電システムが同社のサービスエリア内に系統連係されている。

図1●PG&Eの「Solar Choiceプログラム」用に建設されたメガソーラー(出所:PG&E)
図1●PG&Eの「Solar Choiceプログラム」用に建設されたメガソーラー(出所:PG&E)
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