コストはピーク時稼働の火力と同等

 同じくカリフォルニア州で電気小売事業を独占する米サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック電力会社(San Diego Gas & Electric:SDG&E)も、世界最大級の蓄電池を導入した。米AESエネルギーストーレージ(AES Energy Storage)社は30MW(150MWh)と7.5MW(30MWh)の蓄電池の入札を落とした。

 30MWのLiイオン蓄電池はサンディエゴ北部のエスコンディードにある変電所で2月最初に完成し、運営を開始した。7.5MWの蓄電池もサンディエゴ南部のエルカホンの変電所ですでに運営を開始している。ちなみに、韓国サムソンSDI社のLiイオン蓄電池が両プロジェクトに使用された。

 SCEの「ミラ・ロマ」プロジェクトと同様にSDG&Eの蓄電池も日中、太陽光発電で充電し、夕方から夜にかけての需要ピーク時に放電し、化石燃料であるガス火力発電への依存を削減するのが目的である。これらの蓄電池プロジェクトのコストは公式に発表されていないが、ピーク時供給に使用されるガス火力発電に匹敵する価格と言われている(図4)

図4●AES Energy Storage社によって建設された30MWの蓄電池プロジェクト
図4●AES Energy Storage社によって建設された30MWの蓄電池プロジェクト
(出所:AES Energy Storage社)
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