2020年までに1325MWの蓄電池

 カリフォルニア州の電力業界は、ガス漏れのほか、太陽光発電の大量導入による「ダック・カーブ」と呼ばれる問題を抱えている(関連記事)。同州では、日中、太陽光発電により大量の電力が供給されるが、日が沈み始めると太陽光の発電量が急激に下がる一方、その時間帯に電力需要のピーク時を迎える。そのため、短時間に太陽光を補う電源を立ち上げ、大量の電力を供給しなくてはならない。

 従来は、天然ガスなどの化石燃料を使った火力発電で、急な電力需要の上昇などに対応してきた。

 しかし、蓄電池を利用することで、日中、太陽光発電の抑制を防げるうえ、その大量な太陽光発電を蓄電し、ピーク時に放電することで、従来の火力発電に頼らず需要を満たせる。

 カリフォルニア州は2030年までに同州の電力需要の50%を再生可能エネルギーで賄うという挑戦的なゴールを掲げている。今後、目標達成を目指し、さらに大量の再エネを導入拡大するには、蓄電池の導入が不可欠になってき。

 同州では実際、数年前に、2020年までに合計1325MW(1.325GW)のエネルギー貯蔵用蓄電池の設置を民間電力会社3社に義務付けた。SCEはその1社だ。州政府が電力会社に対して、蓄電池の設置を義務付ける法律を制定したのは、カリフォルニア州が米国で最初となった。ちなみにSCEに義務付けられた設置容量は580MWである。

図3●テスラ社製のパワーパック2からなる20MW蓄電池システム
図3●テスラ社製のパワーパック2からなる20MW蓄電池システム
(出所:Ernesto Sanchez)
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