太陽光が米新設発電所の3割以上

 風力や太陽光発電の低コスト化により、従来の化石燃料による火力発電所の建設が大幅に減り始めている。EIAの発表によると、電気事業者により2016年に新設された発電所の63%は再エネ発電所となっている。ちなみに、2010年におけるこの割合は28%で、設置容量は2倍以上に拡大している(図2)。

図2●左:新設発電所設置容量における再生可能エネルギーの割合(緑色:再生可能エネルギー)、右:2016年の四半期別新規太陽光・風力発電設備設置容量(黄色:太陽光、青色:風力)
図2●左:新設発電所設置容量における再生可能エネルギーの割合(緑色:再生可能エネルギー)、右:2016年の四半期別新規太陽光・風力発電設備設置容量(黄色:太陽光、青色:風力)
(出所:Energy Information Administration)
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 2016年に新設された発電設備の容量は約24GWで、太陽光はそのうちの31%(7.5GW)、風力は29%(7GW)を占めた。ちなみに、天然ガス火力発電は全体の32%を占め、太陽光発電所を上回っている。ただ、EIAのこの集計データについては、2016年10月までは建設実績を集計しているものの、11月と12月は新設の計画値を使っている。

 太陽光発電産業の関係者の多くは、2016年末時点における太陽光の実際の新設容量はEIAの予測を上回っていると見ている。

 最終的には2016年の太陽光の新設は約9GWに達すると言われている。しかも、この数値には住宅・商業・産業用の分散型太陽光発電は含まれていない。そうなると、米国で新設された発電設備のなかで、太陽光が最大容量ということになる。

 これは、太陽光の発電コストが、少なくとも石炭火力と比べても見劣りしない水準にまで低下してきたことを意味する。従って、「ソーラー州」でない州でも太陽光発電所の設置が増え、従来の火力発電所との代替が始まっているのである。