本稿ではウエアラブル端末、特に米Apple社や米Google社の参入で注目が高まるスマートウォッチの市場動向を取り上げる。Apple社の参入は市場規模拡大に貢献しており、Google社によるプラットフォームの提供はさまざまな業界からの市場参入を促している。

 スマートウォッチは、機能面から大きく2つに分類できる。第1に、アプリケーションプロセッサーとOSを搭載し、アプリケーションソフトウエア(アプリ)を追加できるもの。「Apple Watch」やAndroid Wear端末などがこれに当たる。第2に、マイコンベースでアプリの追加はできず、スマートフォンのコンパニオンデバイスとして使うもの。「Swatch Touch Zero One」などがこれに当たる。ただし一部、マイコンベースでアプリの追加ができる端末(Pebbleなど)も存在する。

センシング機能に高い期待

 ウエアラブル端末の市場規模は、2014年時点で約3200万台。2015年は前年比80%増の約6000万台に拡大する見込みだ。さまざまなウエアラブル端末が存在する中、本稿でスマートウォッチに注目するのは次のような理由からだ。

図1●ウエアラブルセンシング市場に関する予測
図1●ウエアラブルセンシング市場に関する予測
[画像のクリックで拡大表示]

 第1に、Apple社やGoogle社、韓国Samsung Electronics社などの大手IT企業の参入により、その市場性や製品の方向性への関心が高まっている。第2に、ウエアラブルセンシング市場の中で、成長が期待できる製品である(図1)。第3に、ヘルスケア市場やモバイル決済市場を活性化するツールとして期待されている。