前回は、スマートフォン需要が踊り場を迎えている現状に触れた。スマートフォンは従来型の携帯電話機(フィーチャーフォン)だけでなく、デジタルカメラや携帯型ゲーム機、ナビゲーションシステムなど、多くの電子機器の需要を侵食しつつ成長を続けてきた。半導体需要の牽引役でもある。

 当社はかねて、半導体メーカーの売上高ランキングに加え、「半導体消費ランキング」を発表している。機器メーカーを半導体消費金額で順位付けしたものだ。ここで、「消費金額」は各社の電子機器製品に「搭載」された半導体の合計金額であり、各社が「購入」した金額ではない。

 その上位の顔ぶれを見ると、近年はスマートフォンメーカーがずらりと名を連ねている。半導体市場に占めるスマートフォン向け出荷金額は、実は全体の約20%を占めるにすぎない。だが、スマートフォン市場は少数のプレーヤーが寡占しているため、それらの企業がランキング上位を占める構造になっているわけだ。2014年と2015年の半導体消費ランキング上位10社を、図1に示そう。

図1●2014年と2015年の半導体消費金額ランキング(出所:IHS Technology)
図1●2014年と2015年の半導体消費金額ランキング(出所:IHS Technology)
[画像のクリックで拡大表示]