当社(米IHS社)は、2015年の世界半導体売上高ランキング(暫定値)を発表済みである(表1)。市場全体が前年比マイナスで終わった中、各社の売上高の伸び率には大きなばらつきが見られる。ここではランキング上位の半導体メーカーを中心に、2015年の業界図を分析したい。

表1●世界半導体売上高ランキング(2015年は暫定値、出所:IHS Technology)
表1●世界半導体売上高ランキング(2015年は暫定値、出所:IHS Technology)
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IntelとSamsungの差が詰まる

 米Intel社は1992年以来、24年連続となる首位の座を守った。だが2位の韓国Samsung Electronics社との差は年々縮まっている。パソコン用プロセッサーの需要が伸び悩む中、スマートフォン向けの実績に乏しいIntel社の売上高は、2011年以降ほぼ横ばいだ。

 同社は2016年2月には、FPGA大手の米Altera社の買収を完了する見込み。これにより2016年は、単純計算で16億~17億米ドルほどの売上高が上乗せされる。全社売上高は500億米ドルを超えそうだが、Altera社の売り上げは伸び悩んでおり、成長戦略の観点では買収後も厳しい状況が続きそうだ。

 対照的に、Samsung社は順調に半導体売り上げを伸ばしている。2015年は、2011年比で49%の増収を達成。メモリー市場で絶対的な強さを誇る同社は、パソコン向けの減収をスマホ向けの増収で補った。スマホ向けではメモリーだけでなくロジックICでも実績を伸ばしている。

 ただし懸念材料はある。2016年はメモリー市場が単価下落により軟調に推移する見通し。スマホの戦略商品「Galaxy」が伸び悩めば、同社の半導体売り上げにもマイナス影響が出る。