2017年10月25日に発表された韓国LG Display社の2017年度3Q(2017年7~9月)の決算は、売上高が前年同期比4%増、前四半期比5%増の6兆9730億韓国ウォン(約7123億円)、売上総利益が前年同期比34%増、前四半期比17%減の1兆2560億韓国ウォン(約1283億円)、営業利益が前年同期比81%増、前四半期比27%減の5860韓国ウォン(約600億円)、当期純利益が前年同期比151%増、前四半期比35%減の4770億韓国ウォン(約487億円)となった(リリース)。

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 前四半期の2Q(2017年4~6月)と比較すると、売上高はテレビ向けOLEDパネル、スマートフォン向けLCDを牽引役に増収となったが、営業利益はテレビ向け大型パネルの価格下落、OLEDの赤字拡大(E5工場立上げ費用増など)により減益となった。売上総利益率は18.0%(2Qは22.8%)、営業利益率は8.4%(同12.1%)、当期利益率は6.8%(同11.1%)。EBITDAは前年同期比39%増、前四半期比10%減の1兆4200億韓国ウォン(約1450億円)、EBITDAのマージンは20.4%(2Qは23.9%)である。

iPhone需要の増加などで平均販売単価は上昇

 3Qのパネル出荷面積は、前年同期比5%減、前四半期比1%増の1032万㎡。単位面積当たりの米ドル建て平均販売単価(Blended ASP)は、季節要因やiPhone需要の増加などによるスマートフォン向けの構成比上昇で、600米ドル/㎡(2Qは574米ドル/㎡)に上昇した。3Qの生産能力は1320万㎡(2Qは1250万㎡)だった。

 3Qの用途別売上構成比は、テレビが40%(2Qは46%)、モニターが16%(同17%)、ノートパソコンおよびタブレットが17%(同15%)、モバイルその他が27%(同22%)。金額ベースの増収率は、テレビが前年同期比6%増、前四半期比9%減、モニターが前年同期比4%増、前四半期比1%減、ノートパソコンおよびタブレットが前年同期比2%減、前四半期比19%増、モバイルその他が前年同期比4%増、前四半期比29%増だった。

 3Q末の在庫水準は回転日数(期首期末平均、売上原価ベース)が40日(2Q末は41日)となり横ばい圏、金額ベースでは前年同期比7%増、前四半期比14%増。なお、金額ベースでの在庫増には、新製品向け中小型パネルの在庫(iPhone8/8 Plus向けと推定される)のほか、単価の高いOLEDパネルの比率上昇の影響もあったもようだ。