台湾Innolux社が2016年10月28日に発表した同年第3四半期(7~9月)決算は、売上高744億8500万台湾ドル(前年同期比16%減、前四半期比11%増)、売上総利益87億7200万台湾ドル(前年同期比19%減、前四半期比464%増)、営業利益38億5900万台湾ドル(前年同期比18%減、前四半期の赤字から黒字転換)、当期利益30億5800万台湾ドル(前年同期比12%減、前四半期の赤字から黒字転換)となった。

 売上総利益率は11.8%(第2四半期は2.3%)、営業利益率は5.2%(同-4.5%)、当期利益率は4.1%(同-5.2%)。パネル価格の全体的な上昇により売上高、利益ともに改善し、1年ぶりの最終黒字に転換した。EBITDAは137億1400万台湾ドル(前年同期比23%減、前四半期比85%増)、EBITDAマージンは18.4%(第2四半期は11.1%)である。

 第3四半期の総出荷面積は696万8000m2(前年同期比2%減、前四半期比0.5%減)と、第2四半期比でほぼ横ばい。一方、面積当たりの米ドル建て平均販売単価(Blended ASP)は330米ドル/m2となり、第2四半期の289米ドル/m2から14%の大幅増となった。

 中小型パネルの出荷面積は54万2000m2(前年同期比5%増、前四半期比15%増)、出荷枚数は6100万枚(前年同期比6%減、前四半期比11%増)、売上高は152億台湾ドル(前年同期比17%減、前四半期比16%増)。中小型パネルは出荷枚数、面積、金額ともに前四半期比2桁%の増加となった。第3四半期の全社稼働率は2016年2月の地震の影響から回復し、ほぼフル稼働だった。

 用途別売上構成比は、テレビ向けが47%(第2四半期は48%)、モニター向けが12%(同12%)、ノートパソコンおよびタブレット端末向けが17%(同15%)、中小型(携帯電話、車載、産業、メディカルなど)向けが24%(同25%)。計算される金額ベースの売上高成長率は、テレビ向けが前年同期比26%減、前四半期比9%増、モニター向けが前年同期比0.7%増、前四半期比11%増、ノートパソコンおよびタブレット端末向けが前年同期比2%増、前四半期比26%増、中小型向けが前年同期比12%減、前四半期比7%増である。全ての用途で前四半期比増収となった。

 サイズ別の売上(金額)構成比は、40型以上が39%(第2四半期は45%)、30型以上40型未満が1%(同0%)、20型以上30型未満が18%(同15%)、10型以上20型未満が21%(同20%)、10型未満が21%(同20%)。第3四半期は一部顧客向けに23.6型の生産が一時的に増加し、20~30型の構成比が上昇した。第3四半期末の在庫水準(期首期末平均、原価ベース)は35日まで低下(第2四半期末は38日、2015年第3四半期末は40日)、金額ベースでは第2四半期末に比べて4%減少した。第3四半期末の純負債比率(ネットデットエクイティレシオ)は13%と、健全な水準を維持した。