中国LeEco社と米VIZIO社は2016年7月26日(米国時間)、LeEco社がVIZIO社を20億米ドル(約2120億円、1米ドル=106円で換算)で買収することで合意したと発表した。VIZIO社はLeEco社の100%子会社となる予定である。VIZIO社の経営陣はCEOのWilliam Wang氏を除き留任し、オペレーションも従来通り継続する方針という。

 LeEco社は、中国のストリーミングコンテンツ配信大手。ここ数年はスマートテレビやスマートフォンなど、自社ブランドのハードウエアの販売も手掛け、ハードウエアとコンテンツ配信をバンドルして販売することでシェアを拡大している。ハードウエアはハイスペック品を原価に近い価格で販売し、サービス収入で回収する戦略である。米IHS社によると、2015年のテレビ販売台数は290万台(世界シェア1.3%)。

 一方のVIZIO社は、米国カリフォルニアに拠点を置くファブレスの完成品メーカーだ。主に北米向けにテレビやサウンドバーなどを手掛ける。2002年の創業以降、設計・企画のみを手がけるビジネスモデルで急速にシェアを拡大した。社員は500人に満たない。

 VIZIO社の2014年の業績は、売上高31億4200万米ドル、営業利益6800万米ドル、当期利益4500万米ドル、EBITDA 7100万米ドル。2015年1~9月期の業績は、売上高22億300万米ドル、営業利益6800万米ドル、当期利益4400万米ドル、EBITDA 7300万米ドル。

 IHS社によると、VIZIO社の2015年のテレビ販売台数は780万台(世界シェア3.4%)。北米のみのシェアは18%で韓国Samsung Electronics社に次ぐ2位だった。大手流通のBest BuyとWalmartの両方で、主要サプライヤーとなっている。

 非上場(現在上場保留中)で、2015年9月時点の主な株主は創業者でCEOのWilliam Wang氏が54.7%、台湾AmTRAN社が20.4%など。2016年のテレビ出荷目標は850万台程度と見られる。