中国スマートフォンメーカーの2016年の生産台数は、世界スマートフォン生産台数の5割超を占める7億5000万台と見られる。このうち最も重要な位置を占めるメーカー3社が、Huawei Technologies社、OPPO Mobile Telecommunications社、Vivo Mobile Communications社だ。2016年のスマートフォン推定出荷台数は、Huawei社が前年比32%増の1億3500万台、OPPO社が同130%増の9200万台、Vivo社が同74%増の7300万台と、いずれも高成長を続けている。

 Huawei社はその技術力を生かし、自社設計で小売価格3000元以上のハイエンド機種に注力。チップセットもグループ内で設計している。

 一方のOPPO社とVivo社は、中国国内の若年層を中心とした買い替え需要に着目。2000~3000元という手の届く価格で、高性能かつ外観設計にもこだわった製品を供給している。両社は2級/3級/4級都市(といっても人口数百万人の大都市が多い)を中心に、通信事業者に過度に依存せず、直営店・専売店を展開することで2016年に急成長を果たした。直営店・専売店数は2016年末時点で、OPPO社が4400店舗、Vivo社が1360店舗に達したもようである。

 3社は2017年も、中国国内でのシェア上昇や海外市場での販売強化を通じた高成長の維持を目指している。我々の理解では、2017年のスマートフォン生産出荷台数計画は、Huawei社が前年比26%増の1億7000万台、OPPO社が同74%増の1億6000万台、Vivo社が同78%増の1億3000万台。とりわけOPPO社とVivo社のアグレッシブさが目立つ。部品調達数量はこれらの数字に対して15~20%多いと考えられ、特に供給不足と見られてきたハイエンド部品では、各社はより一層アグレッシブな計画を立てている。

 ただし我々が予想する年間生産台数は、各社の計画に比べて低い水準である。中国におけるシェア上昇には限度があることに加え、東南アジアやインドなどの海外展開において、現地の平均的な機種に比べて高単価な機種が中国市場と同様のペースで売れるのは容易でないと見ているためである。