「時間が空いたらやる」のウソ

――目的を間違えてはいけないと。

北山 さらにいえば、時間が空いたら人は考えるようになるかといったら、それも幻想です。時間が空いたら、新しい案件を入れられるか、無駄な会議に呼ばれるか、飲み会が増えるかのどれかです。「今は忙しいけど、時間が空いたら創造的な業務に集中できる」などというのは、あり得ません。考えるためには、考えるための仕組みが不可欠です。

[画像のクリックで拡大表示]

 例えば、創造的な業務を評価する仕組みがあれば、どんなに忙しくても考えるようになります。一方、設計工数の削減や設計リードタイムの短縮といった「減らす」系の指標で過度な目標が設定されていると、どうしても考えなくなってしまいますね。そこはマネジメントの問題です。

 そういう点でいうと、マツダの「モノ造り革新」は素晴らしいと思います。