実は、右表の2015年間ランキングの内容は、2015年上半期のランキングとあまり変わっておりません。上半期に読まれた記事がそのまま下半期もよく読まれ、アクセス数の蓄積によって年間ランキングでも上位に入りました。逆に言えば、上位に入っている連載「プロフィタブル・デザイン―利益獲得設計―」「一人の技術者がモジュラーデザインを確立した軌跡」が引き続き注目を集めているということでもあります。

 下半期の記事(上半期ランキングに登場しません)の1つが、第7位の「設計標準化は、なぜいつも失敗に終わるのか」。「プロフィタブル・デザイン」の第3回ですが、モジュラーデザインに近い話題を論じています。著者北山一真氏によれば、図面の標準化、すなわち図面内の寸法を一律にシリーズ化/固定化する試みはまずうまくいかないので、顧客の要求に直結する寸法と固定費マネジメントに影響する寸法を区別し、前者は自由度を許して最適値に設計するべき、という論旨です。

 標準図を組み合わせても、顧客の要求に応えられないのでは競争力のある製品になりません。つまり、せっかく標準図を決めても使われないのだから、決めること自体に意味がなくなってしまう。それよりは、顧客の要求を受けてどのように製品にするかを決める過程(設計ルール)を標準化するべき、といいます。

設計標準化への誤解
設計標準化への誤解
プロフィタブル・デザイン 「設計標準化は、なぜいつも失敗に終わるのか」より