日経テクノロジーオンラインの電子デバイス系サイト、すなわち、「半導体デバイス」「半導体製造」「EDA・ソフトウエア」「アナログ」「電子部品」「デバイス」というテーマサイトで公開した全記事のうち、2015年10月12日~11月12日にアクセス数が多かった上位20の記事を下表にまとめた。

 今回のランキングで1位となったのが、ソニーの半導体事業の分社に関する記事だ(第1位の記事)。IHSテクノロジー 主席アナリストの大山聡氏が、分社化で期待することを綴っている。ソニーは2016年4月1日の営業開始を目指して半導体事業を分社することを、2015年10月6日に発表していた(関連記事)。

 大山氏も記事で紹介しているが、これまでにも半導体事業を分社した日本企業は数多くあった。NEC、日立製作所、三菱電機、三洋電機、富士通などである。ただ、「どの事例を見ても、切り離した本社側の半導体事業への消極的な態度しか見えてこなかった」と大山氏は振り返る。

 一方、今回のソニーの分社化は、これまでの分社化との間に決定的な違いがあると、大山氏は指摘する。それは、ソニーがエレクトロニクス部門の稼ぎ頭としての半導体事業を分社しようとしている点だ。同社の2015年3月期決算では、半導体を中心とするデバイス部門の営業利益は931億円と、全社営業利益685億円を上回るほどである。

 「ソニー本社としては、1000億円規模の営業利益をたたき出す事業を連結から外したくないのが本音だろう」と、大山氏は推測する。しかし、同氏も記事で述べているように、半導体事業の主力製品のイメージセンサーは自前の製造ラインを必要とするため、資産の軽量化やハードウエア主体事業からの脱却という本社の方針に合致しない。

 大山氏は、「本社は新会社を連結から外し、新会社が自由に経営戦略を立案できるようにすべき」と提言する。「新会社に出資を申し出る金融機関や事業会社は多いだろう」(同氏)と予測する。同氏は記事の最後を「ソニー本社はどう考えているのか。今後の動向を見守りたい」と結んでいるが、読者の多くもソニーの半導体分社の行方に注目していることが、今回のランキングに見て取れた。