2016年10月3日~11月3日の日経テクノロジーオンライン「ものづくり(総合)」の記事アクセスランキングの1位は、8月から始まった連載「ゼロから実験君」の第2回「朝食においしいパンを」でした。同連載、9月はお休みしてしまったのですが、10月末に掲載した第3回「素早く香ばしく焼くには」も8位にランクインしています。末永く展開いたしますのでどうぞご期待ください。

 そんな中、ランキングで目立つのはやはりIoT(Internet of Things)のキーワードです。2位の「デンソーはなぜ工場のIoT活用を急ぐのか」は4月の記事にもかかわらず今回も上位にランクインしていますし、「トヨタが目指すIoT工場は『人を育てる』」(4位)、「IoT時代の電子部品、今と同じ造り方でいいのか」(6位)、「GEのIoT化は危機感に駆り立てられた」(12位)と、タイトルにIoTが入った記事だけで4本。「「結局のところ、スゴいのはGEとコマツ」」も結局のところIoTがテーマです。

 これだけ注目度が高いのは、製造業に限らず世の中全体に「IoT」というキーワードが氾濫していることも要因でしょうが、一方で“IoTって何か良さそうだけけど、具体的に何できるのか、どうすればいいのか”に頭を悩ませている企業も多いからではないでしょうか。

 ランクインした上記のトヨタやGE(米General Electric社)の記事は、弊社のイベント「FACTORY 2016 Fall」からですが、筆者が聴講した講演でも登壇したコンサルタントが「日本の製造業はIoTの実証実験も進めているが、その後のビジネスが描けず、利益を生むビジネスができないとの声が多い」といった趣旨のことを述べていました(関連記事)。先日取材した別のコンサルタントの方も「IoTと言ってもデータを集めるだけで、それを使って何がしたいか、本当にできるかまで考えている企業が少ない」といった趣旨の苦言を呈していました。センサーやフィールドネットワークといったインフラの整備は資金を投入すれば進みます。IoT導入のお試しキットといったソリューションも増えてきました。しかし、集めたデータを本当に有効に活用できるのか。記者としては、きれい事だけではないであろうそうした現場の本当の姿を取材したいと思います。