「太陽光発電に蓄電池を組み合わせるという需要が、今後必ず伸びる。2019年ごろには、売電より自給自足というニーズが主流になるだろう」――。

 パナソニックは10月中旬、都内で記者説明会を開催し、同社の住宅向け蓄電池および制御機器の事業戦略を示しました。この内容をまとめたニュース記事「「太陽光+蓄電池の時代へ」、パナソニックが電池事業を強化」が、日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「エネルギー」の10月のアクセスランキングで第1位となりました。

 Liイオン2次電池大手のパナソニック。以前は、ノートパソコン向けやスマートフォンなど携帯機器向けの小型タイプが注目の的でしたが、最近の話題はもっぱら自動車向けや、家庭および定置用になりつつあります。米Tesla Motors社と組んで進めている、米ネバダ州の巨大な電池製造拠点「ギガファクトリー(Gigafactory)」にも、大きな注目が集まっています。

 パナソニックはこうした規模のメリットを生かし、家庭向け蓄電池のコスト低減も進めていくのでしょうか。そのあたりのコスト目標や、Tesla社との関連などは説明会では示されませんでしたが、Liイオン2次電池の今後の市場動向を見る上で、同社の動向にエネルギー業界から強い注目が集まっていることが、改めて浮き彫りになりました。

 このほかランキングには、鬼怒川の堤防決壊に関する話題が、先月に続いて並びました。アクセスランキングで第2位となった「鬼怒川沿いの自然堤防の掘削で、国交省が経緯を公表」や、第3位となった「【鬼怒川氾濫】「発電事業者のリテラシー不足を懸念」、太陽光発電協会・亀田事務局長」です。台風18号の影響による記録的な豪雨災害において、鬼怒川の自然堤防の役割を担っていた丘陵部が、メガソーラーの建設時に削られていたことが、越水につながった一つの要因ではないかとの指摘が出ています。この件に関する太陽光発電協会(JPEA)の亀田正明事務局長へのインタビューは、多くの読者の注目を集めています。

 2016年春の電力小売りの全面自由化が近づく中、電力事業者や新参入企業の話題も増えてきました。来月以降、電力ビジネス関連の話題も、数多く登場することになりそうです。

アクセス記事ランキング(9/22~10/22)
エネルギー
1 「太陽光+蓄電池の時代へ」、パナソニックが電池事業を強化
2 鬼怒川沿いの自然堤防の掘削で、国交省が経緯を公表
3 【鬼怒川氾濫】「発電事業者のリテラシー不足を懸念」、太陽光発電協会・亀田事務局長
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17 水素社会は切り札論、急浮上の不可思議
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20 浜松市が新電力、メガソーラー主体に10MWから小売り開始