「クルマ」サイトで、過去1カ月(9月8日~10月8日)の記事ランキング上位を占めたのは、世界販売台数で競い合っているドイツVolkswagen社とトヨタ自動車だった。
VW社は排ガス試験の不正問題が発覚して、同社CEO(最高経営責任者)のヴィンターコーン氏が9月23日に辞任する事態になった。一方のトヨタ自動車は、次期「プリウス」を米国やドイツのフランクフルトショーで相次いで公開した。
VW社の不正は、排ガス試験の時だけ排ガス除去の性能が高くなるように制御ソフトを改編していた点である。走行時は試験時よりも排ガス量が多くなる。一部地域では、買い控えなど販売面での影響も出始めているようだ。この先どのように事態が収束していくかに注目していきたい。
トヨタ自動車のプリウスについては、外観や走行性能、環境性能、新しい設計思想のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)など、以前から期待する声が強い。フランクフルトショーで弊誌インタビューに応じたチーフエンジニアの豊島浩二氏は、「次期プリウスはハイブリッド車(HEV)を広めるというこれまでの役割ではなく、トヨタの環境対応車全体を底上げすることに移る」と述べている。
トヨタのHEVの世界販売台数は年間100万台を超えた。4代目は、電気自動車(EV)やプラグインHEV、燃料電池車(FCV)など環境対応車全体を、低コストで、普及させることを考えて設計したという。
環境対応で苦戦するVW社と、新型HEVで攻めに出るトヨタ。まずは12月のプリウス発売に向けて、燃費性能の目標である40km/L(JC08モード)をどこまで超えられるのか、開発現場は最後の追い込みを迎えている。