日産自動車の新型ミニバン「セレナ」の発売(2016年8月下旬)が近付いています。その新型セレナの目玉の一つが、将来の自動運転を見据えた運転支援技術「プロパイロット」の導入です。社会的な関心が高い自動運転の話題でもあり、日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「クルマ」においても、2016年6月28日~7月28日のアクセスランキングでは、このプロパイロットの記事「日産の『プロパイロット』搭載車に乗って思ったこと」が2位に入りました。

よそ見の余裕を与えない

 同記事は、プロパイロットを搭載したミニバンの試乗会で記者が感じたことをつづったものです。実は、その試乗会に私も参加していました。ちょうど、米Tesla Motors社のセダンタイプの電気自動車(EV)「Model S」で、運転支援機能「Autopilot」動作中の死亡事故が明らかになって1週間ほど経って開催された試乗会でした(今回14位の「Tesla『Model S』、簡易自動運転中に死亡事故」参照)。そのこともあってか、プロパイロットの開発者の言葉の中にも、同事故を意識した内容がしばしば含まれていました。

 その中で印象的だったのが、新型セレナに搭載するプロパイロットでは、「ドライバー(運転者)を過信させないシステムづくり」を追求したという発言です。例えば、今回のプロパイロットでは、渋滞走行時でも先行車を追従する機能が実現されています(今回9位の「日産、自動運転技術『プロパイロット』発表 2016年8月下旬に採用」参照)。これは、先行車の停止に伴いプロパイロット搭載車がいったん停止しても、その後に先行車が動き始めれば、停止時間が約3秒以内であれば自動で、停止時間が約3秒超で約3分未満であれば運転者がステアリングホイールの専用ボタンを押すことで、再び先行車の追従を行うというものです。