なぜ三菱自動車に続き、スズキも燃費測定の不正に手を染めたのか──。2016年5月30日~6月30日までに、日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「スキルアップ」で読まれた記事のランキングの上位には「燃費の不正問題」に関連する記事が目立ちました。トップ3はいずれもモノづくり経営研究所イマジン所長の日野三十四氏が執筆した記事です。
1位が「スズキの走行抵抗値捏造は“吝嗇文化”の行き過ぎか」、2位は「不可解な技術的説明、スズキに立ち入り検査を実施すべし」でした。両記事とも日野氏が燃費問題の本質に鋭く切り込んだ記事です。
まず2016年5月20日に執筆した2位の「スズキに立ち入り検査を実施すべし」では、スズキの燃費測定に関して不正があったという同社の1回目の会見に不可解な点が多いことから、国土交通省が同社に立ち入り検査をすべきだと指摘しました。
「はっきり言って、件の会見は、スズキが国交省対策やマスコミ対応として周到に筋書きを用意し、応酬話法を準備して臨んだように見えます。しかし、技術的におかしい説明なので、国交省は私の情報を基に、スズキに立ち入り検査を実施すべきです」。詳細は記事をご覧頂きたいのですが、その後、実際に国交省がスズキに立ち入り検査をすることになりました。
それに加えて、同記事では現在の国交省の審査にも課題があると主張しました。「国交省が『メーカーとの信頼関係の上で審査する』『メーカーのお膳立ての上で審査する』という現在のやり方を続ける限り、走行抵抗値以外にも数多く存在する不正の温床をそのまま放置することになってしまいます」。