日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「クルマ」において、2016年5月10日~6月10日のアクセスランキングで2位に入ったのが、「2030年に乗用車メーカーの利益は半減する!?」という記事だ。2016年4月から連載が始まったコラム「2030年モビリティー革命を読み解く」の中の1本で、筆者はデロイトトーマツコンサルティング(以下、デロイト)の方々。同コラムでは、自動車産業は今から14年後の2030年に、どのように変わっているのか、同社の分析を解説している。

新興国の購買行動は徐々に落ち着く

 冒頭の記事は、そのコラムの第5回目に当たるものだ。同記事では、2030年の世界自動車販売台数は非常に楽観的な見方では約1億8000万台と言われているが、そこまでは増えないと指摘している。

 デロイトの予測では、同販売台数は約1億3000万台にとどまる。その一つの根拠が、新興国の新車購買率の平準化だ。すなわち、「現在の新興国では、モータリゼーションの波に乗って中低所得者層が自身の所得水準に見合わない無理な購買をしていることは明らかである。こうした購買行動は徐々に落ち着いてくる」と同社は分析している。

 さらに、乗用車メーカーの利益に影響を与える要素として、セグメントミックスの変化を挙げる。今後、消費者がより実用的で経済的なクルマを求めるようになることから、「地域を問わず、中価格帯(量販車)はシェアを失い、低価格帯(小型車)が着実にシェアを伸ばす」と同社は分析する。

 そして、同社は「パワートレーンの多様化」「クルマの知能化・IoT化」「シェアリングサービスの急拡大」のインパクトをそれぞれ検証。その上で、クルマが売れない、儲からないのであれば、選択肢は三つしかないと指摘する。ご興味を持たれた方は、是非、同記事をご覧ください。