投資家/ブロガー/経済ジャーナリストの山本一郎氏(左)、盛之助 代表取締役社長の川口盛之助氏(右)(写真:加藤 康)
投資家/ブロガー/経済ジャーナリストの山本一郎氏(左)、盛之助 代表取締役社長の川口盛之助氏(右)(写真:加藤 康)
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 破壊的な技術革新とはどのようなものなのか。イノベーションを生む組織の条件とは何か──。

 2015年12月28日~2016年1月28日までの1カ月間に、日経テクノロジーオンラインの「技術経営」サイトで読まれた記事のランキングでは、イノベーションに関連する記事が上位に目立ちました。

 とりわけ人気が高かったのが、技術とイノベーションの育成に関するエキスパートの川口盛之助氏と、技術動向と金融市場に詳しい山本一郎氏の「メガトレンド対談」で掲載された2本の記事です。

 まず2位の「小手先の技術を一掃する、ウルトラ発明の破壊力」では、「核融合発電」などの革命的な技術とそのインパクトに関して、両氏が議論しました。

 川口氏が「(核融合発電が)本当にできたら、ケタが違うよね。ちゃぶ台返しっていうかさ。あまりにもケタが違うので、未来を予測しようがないよ」と語る一方で、山本氏は「超ブレークスルーです。エネルギー効率なんかどうでもいい話になる。今、研究者が取り組んでいるほとんどの技術開発は一掃されてしまう」と強調しました。

 これまでの技術開発はエネルギーが限られているという前提に立ってきました。このため多くのメーカーは、エネルギーの伝達ロスを減らしたり、燃料の燃焼効率を高めたりするといった、より少ないエネルギーでより高いパフォーマンスを引き出す研究に注力してきました。しかし核融合発電はこうした技術開発を不要にする可能性さえも秘めています。