米Apple社が3年後、iPhoneに有機ELディスプレーを採用するという報道が相次いでいる。各報道によると、韓国のLG Display社とSamsung Display社が有機ELディスプレーの供給メーカーとして取りざたされている。そして、有機ELディスプレーの量産実績を持たないジャパンディスプレイやシャープがどう対応するのかが、注目を集めている。

有機EL量産で先行する韓国パネルメーカー

 LG Display社は現在、有機ELディスプレー事業に世界で最も積極的なメーカーである。親会社の韓国LG Electronics社は大型有機テレビに傾注している。競合他社の撤退が相次ぐ中で、孤軍奮闘。家電量販店のテレビ売り場で、同社の有機ELテレビ(OLED TV)は目にした読者も多いのではないだろうか。パネルを供給しているのはもちろんLG Display社である。

 現在、テレビ向けの大型有機ELパネルを量産しているのはLG Display社だけだ。同社は、パネルの外販にも力を入れている。パナソニックも2015年10月に有機ELテレビを欧州で発売したが、このパネルもLG Display社製だ。また、中国の複数のテレビメーカーが有機ELテレビを開発しているが、パネルの供給元はいずれもLG Display社とみられる。

 中小型については、腕時計型のウエアラブル端末「Apple Watch」用に有機ELパネルを量産している。1.3型の小型パネルである。ガラスのように割れることがなく、しかも薄くて軽い樹脂を、有機EL駆動用のTFT基板に採用しているのが特徴だ。