Tesla Motors社会長兼CEOのElon Musk氏
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セダンのEV「Model S」
セダンのEV「Model S」
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 カリスマが仕掛ける電気自動車(EV)の革命が新たなステージに入る──。2016年7月20日、米EVベンチャーのTesla Motors社(以下、Tesla社)の会長兼最高経営責任者(CEO)であるElon Musk氏は新たな長期計画(Master Plan, Part Deux=マスタープラン パート2)を発表しました。

 「10年前に書いた最初のマスタープランが最終段階に入った」(Musk氏)からです。当初のマスタープランは、まず高価で生産台数が少ないEVを開発して市販する。その売り上げで価格がより手ごろで中量を生産するEVを開発して発売。さらにその売り上げで、安価な大量生産のEVを発売するというものでした。

 その言葉通り、Tesla社はまず2008年にスポーツカータイプの2人乗りの超高級EV「Roadster」を発売。スポーツカーらしい優れた加速性能と操縦性、長い航続距離などが注目を集め、生産台数は限られていたものの人気になりました。

 2012年には、より手ごろな価格のセダンタイプの高級EV「Model S」を投入。Roadsterから引き継いだ走行性能に加えて、大人5人と子供2人が乗ることができる広々とした車内スペースなどが特徴で、米国や欧州、日本などで販売を伸ばしています。

 さらに2015年にはModel Sのプラットフォームを使い、多目的スポーツ車(SUV)のEV「Model X」を発売。2016年3月末には、3万5000米ドル(約372万円)~という、同社としては低価格の小型セダンEV「Model 3」を2017年中に発売することも発表しました。