日産自動車のシリーズHEV「ノートe-POWER」
日産自動車のシリーズHEV「ノートe-POWER」
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シリーズHEV「ノートe-POWER」のシステム
シリーズHEV「ノートe-POWER」のシステム
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トヨタ自動車のプラグインHEV「プリウスPHV」
トヨタ自動車のプラグインHEV「プリウスPHV」
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プラグインHEV「プリウスPHV」のシステム
プラグインHEV「プリウスPHV」のシステム
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マイルドHEVに加えて、フルHEVを追加した、スズキの小型車「ソリオ」
マイルドHEVに加えて、フルHEVを追加した、スズキの小型車「ソリオ」
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 ハイブリッド車(HEV)のシステムの選択肢が広がってきた。トヨタ自動車はプラグインハイブリッド車(PHEV)を次世代のエコカーの本命に掲げた。日産自動車はシリーズHEVの搭載車種を増やす。スズキは、マイルドHEVに続いて、フルHEVモデルを実用化した。

 対する欧州自動車メーカーは、ドイツContinental社やフランスValeo社などが手掛ける48Vの簡易HEVを採用することで対抗する。独自HEVで先行する日本勢、出遅れた欧州勢は共通仕様で攻める。HEVシステムは今後どうなっていくのか。

 日産は2016年11月にシリーズHEV「ノートe-POWER」を発売した。1.2Lのガソリンエンジンで発電機を回して電気を生み出し、モーターで走る。中型電気自動車(EV)「リーフ」と同じモーターを搭載することで、小型車でありながらEV走行を楽しめるようにした。価格は基本グレード「S」の177万2280円から。競合車となるトヨタ「アクア」(約176万円から)、ホンダ「フィットハイブリッド」(169万円から)を意識して設定した。
 
 ただしノートe-POWERの基本グレードは、オートエアコンを省くなどしており、実質的にはグレードX(195万9120円)からとなる。

 日産は、2010年12月に発売した初代リーフをはじめとしてEVを普及させることを目指している。ただ、リチウムイオン電池のコストが高いため、販売台数は限られていた。そこで、日産は、エンジン車からEVに移行する中継ぎとして、シリーズHEVを配置した。

 シリーズHEVであれば、エンジンで発電するため電池の搭載を最小限に抑えることができる。電池容量はリーフ(24kWh)の1/16となる1.5kWhに抑えた。リーフの実質価格は、国の補助金(26万4000円)を差し引いた場合で約254万円である。ノートは同じモーターを使いながら約60万円安くできる計算になる。