これでスマートフォンの販売台数がさらに落ちる——なんてことはあり得ないだろうが、「スマートフォンはシミの原因」という考え方が常識になるかもしれない。きっかけは、化粧品大手の仏L’Oreal社のブランド「LANCOME」の日焼け止めだ(製品の紹介サイト)。2016年の夏の日焼け止め商戦の目玉として、スマホなどが発するブルーライトがシミにつながるという研究成果を発表し、ブルーライトを防ぐ成分を加えた日焼け止めを発表しているのだ。毎度、男性にはあまり愛着のない化粧品の話で恐縮だが、一応スマホにも関係するので、新入社員歓迎会の宴会雑談ネタ等としてお読みいただければ幸いである。

 さて、ブルーライトの定義は曖昧だが、波長400n~500nmあるいは400nm前後の青色可視光線を示す場合が多いようだ。紫外線に近い、つまり可視光の中では波長が短いので、エネルギーが大きいから悪影響も大きいということらしい。

光の波長。色、目盛間隔はイメージで、正確ではありません。波長の定義は異なる場合もあります。
光の波長。色、目盛間隔はイメージで、正確ではありません。波長の定義は異なる場合もあります。
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 現在、ブルーライトは “目にとって悪い光である”と世間一般に認められ、ブルーライトの遮へい効果をうたうPCメガネはすっかり市民権を得ている。ブルーライト源は主にLEDとされ、パソコンやスマホなど、LEDバックライトを使ったディスプレイは強力なブルーライトを含む上に目が光源を直視するため、視細胞に悪影響を及ぼすと考えられているようだ。

 ディスプレイを見続けていると目が疲れることは多くの人が実感しており、“その原因はLED光に含まれるブルーライトだった”という理由付けに多くの人が納得した、ということだろう。ブルーライトの悪影響は目自体への悪影響だけでないという説も出ている。目にブルーライトが届くとホルモンの分泌が乱されるなどして全身に悪影響を及ぼすというのだ。

 さらに、目だけでなく皮膚にも直接悪影響を及ぼすというのが、同社の主張だ。新製品資料によれば「可視光線の中でもブルーライトが肌細胞全体を変色させる原因となる事実を発見した」「ブルーライトが肌細胞を変色させる」「UVBよりも強固で頑固な色素沈着」とある。