「セーフティアセッサ」という資格をご存じでしょうか。年々、この資格を取る技術者が増えています。日本独自の資格として日本を中心に展開しつつ、今では中国、韓国、タイなどのアジアに広まり、2015年にはIEC(International Electrotechnical Commission)が興味を示して国際規格化の検討が始まりました。セーフティアセッサがこれほどまでに脚光を浴びている理由、それは一体何なのでしょうか。

 その説明に入る前に、簡単にセーフティアセッサについてまとめておきます。「セーフティアセッサ」とは、設計者や生産技術管理者を主な対象に、国際安全規格に基づいて機械安全の知識や能力を有することを第三者が認証する資格制度「セーフティアセッサ資格認証制度」が定める資格です。同制度は、日本認証が日本電気制御機器工業会(NECA)、安全技術応用研究会、テュフ ラインランド ジャパンと協力して運営しています。

 資格は、知識や能力に応じて3段階に区分されています。安全性の妥当性確認に必要とされる基礎知識や能力を持つ「セーフティサブアセッサ」、セーフティサブアセッサの能力に加えて安全性の妥当性判断の総合力を持つ「セーフティアセッサ」、セーフティアセッサの能力にプラスして第三者として安全性の妥当性判断を下せる総合力を有する「セーフティリードアセッサ」です。ここに、機械や防爆電機機器などの運用に関わる人を対象にした「セーフティベーシックアセッサ資格認証制度」が加わり、全体としては4段階の資格構成となっています。

 かかるセーフティアセッサ資格認証制度は2004年度にスタートし、2015年9月末時点で4段階全てを含めた資格保有者は9265人、保有企業は985社を数えます。このうち、海外は、中国、韓国、タイなどのアジアを中心に581人、25社となっています。