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エディターズ・ノート

3D-CADで設計した人体切断機

  • 木崎 健太郎
  • 2017/02/20 05:00
  • 1/2ページ

 CAD、PLMベンダーの米国イベントによく伺いますが、通常記事にするのはそのイベントで得た情報であって、イベントそのものではありません。なので、せっかくのアトラクションなどがあっても、ほぼお伝えできていないのが実態です。

 3D-CAD「SOLIDWORKS」のイベント「SOLIDWORKS WORLD 2017」(2017年2月5日~8日、Los Angeles Convention Center)でも、実はさまざまな趣向の出し物がありました。その中で最も目立ったものの1つが、26インチ(66cm)の回転のこぎり刃を有する、ある機械です。

SOLIDWORKSで造った機械に命を預けられるか

 カレンダー上で初日に当たる2月5日は、認定資格制度の試験などがある程度で、実質的な開幕は2月6日の基調講演からです。その基調講演の最初のゲストは、イリュージョン(マジック)で使う装置の設計を数多く手掛ける米Illusion Projects社のTim Clothier氏。さまざまなイリュージョンの機械を紹介したあと、SOLIDWORKSで設計したという3Dモデルを画面に示しました(図1)。

図1 SOLIDWORKSでIllusion Projects社が設計した機械
図1 SOLIDWORKSでIllusion Projects社が設計した機械
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 短時間で実際に製作できたという説明のあと、実物が登場。ホスト役のSOLIDWORKSの責任者(フランスDassault Systemes社SOLIDWORKSブランドCEO)のGian Paolo Bassi氏が機械のそばまで行くと、Clothier氏の仲間のマジシャンがBassi氏に聞きます。「(SOLIDWORKSのCEOなら)SOLIDWORKSで造った機械に命を預けられますよね」(図2)

図2 人体切断機にかけられるGian Paolo Bassi氏
図2 人体切断機にかけられるGian Paolo Bassi氏
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* 実際のセリフは「Would you trust your life to something made by SOLIDWORKS?」。これでGoogleなどを検索していただくと、動画などが出てきます。

 Bassi氏がしぶしぶとその機械の穴に首を突っ込み、逃げられないようになったところで、回転のこぎり刃が甲高いモーター音とともにBassi氏に迫ります。でも刃が通り過ぎると、Bassi氏は無事に立ち上がりました(図3)。まあ、お約束通りのストーリーではありますけど、結構怖かったはずだと思います。

図3 無事にパフォーマンス終了
図3 無事にパフォーマンス終了
右がGian Paolo Bassi氏。
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 この機械、「20年間あたためてきたアイデア」(Clothier氏)だとか。これまで実現できなかったのは、立体的な位置関係が複雑で、3D-CADがないと設計が難しかったためのようです。「公差が非常に厳しく、少しでもずれると非常に危険」(同氏)。それはまあそうでしょう。刃物はBassi氏の背中の上すれすれを通ったとしか考えられません。

 それで、なぜイリュージョンの話が基調講演の最初なのか。「観客を魅了できなければ、どんなに技術面をがんばっても意味がない」(Clothier氏)、すなわちユーザーに対してどのようなEXPERIENCEを与えられるかがものづくりのテーマである、と訴求するのが目的でした。Bassi氏に「SOLIDWORKSではまさにEXPERIENCEをデザインできるのです。今のがEXPERIENCEでなくて何でしょう」と言われると、同意せざるを得ませんでした。

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