業務効率化+話題の技術

 CEATEC JAPAN 2016 オープニングレセプションでの安倍首相の要請発言を聞いたのは、筆者の周りでは筆者1人だったことなどにより、筆者はCeBIT 2017の担当記者になった。担当記者の仕事として、2017年1月25日に開かれた報道機関向け事前説明会「CeBIT Preview 2017」に参加した。この事前説明会は、本番のCeBIT 2017と同じ会場(ドイツ・ハノーバーのメッセ会場)で行われた。

 説明会での講演を聞くと、「データショウみたいな展示会」という指摘は外れていないという印象だった。ICT技術を駆使して業務効率化を目指すことをテーマにした出展は多いようだ。ただし、その部分はベースで、そのほかに、最近、注目率が上がっているテーマでの展示や会議/講演を設けている。事前説明会では、後者、すなわち最近注目のテーマの方に力が入っていた。ドローン、自動運転、ロボット、VR/ARなどである(関連記事「自動運転車やSnowden氏が登場、3月開催の独CeBIT」)。

ベンチャー企業や中小企業にチャンス

 説明会で、主催者(Deutsche Messe)がもう1つ強調していたことがある。ベンチャー企業や中小企業が持てる技術を将来の顧客にアピールする場としてCeBITが機能することだ。CeBIT以外のドイツ開催のエレクトロニクス関連の展示会はいくつか取材したことがあるが、その経験からすれば、ドイツの展示会は日本の展示会よりも、商談の場として機能している。入場料が高い分、来場者が真剣なのかもしれない。その意味で、日本のベンチャー企業や中小企業には、CeBITは良い機会になるのではないかと期待している。

 CeBITでは、カントリーパートナーになった国はその国専用の展示スペースを持つ。CeBIT 2017の日本専用の展示スペース「ジャパンパビリオン」には118社・団体がブースを構える(関連記事「CeBIT 2017の日本パビリオン、最大規模で118機関が出展」)。そのうち約半数が大手、約半数がベンチャー企業や中小企業だという。ジャパンパビリオンの面積は7200m2で、CeBIT史上最大である。また、ジャパンパビリオン以外の一般の展示スペースにベースを構える日本企業/日系企業(日本企業の欧州法人など)もある。そちらの数は、例年通りならば、20~30。大小あるものの、CeBIT 2017全体では140~150の日本/日系のブースが立つことになる。

 昨年後半は戸惑っていた大手企業からも、最近は、具体的な出展内容を紹介してもらう機会が増えてきた。日経テクノロジーオンラインでは、筆者ともう1名の記者、計2名がCeBIT 2017を取材して速報をお届けする予定である(「CeBIT 2017の特設サイト」)。