インダストリー4.0を想定した人材の確保が課題になる
インダストリー4.0を想定した人材の確保が課題になる
写真は、2015年の「Hannover Messe 2015」でドイツVolkswagen社が実演したインダストリー4.0の取り組み
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 ドイツが推進する「Industrie 4.0」(以下、インダストリー4.0)において、極めて重要な取り組みの1つが「教育」です。ドイツでは、インダストリー4.0の実現に向けて学校教育制度を改革する動きが進んでいます。そこで、ドイツの教育制度に詳しい日鉄住金総研 客員研究主幹の山藤康夫氏に、その動向について『日経ものづくり』2016年1月号と2月号に寄稿していただきました(1月号の前編、2月号の後編)。

 なぜインダストリー4.0と学校教育制度が結び付くのでしょうか。それは、インダストリー4.0では雇用や労働の在り方が大きなテーマになっているからです。新時代にふさわしい人材を確保するという観点から、学校教育制度への関心も高まっているわけです。

 もともとドイツでは、産業界と教育界が協力して、製造業を支えるユニークな教育制度を構築してきました。同じく製造業を中心に発展してきた日本と比べても、ドイツの教育制度は産業界のニーズを積極的に取り込んだものになっています。日経ものづくりの記事ではそのユニークな制度について多くの事例を山藤氏に解説していただきましたが、ここではその一端を紹介しましょう。