サンフランシスコを半日歩いただけですが、iPhoneは確かに世界を変えたようでした。スマホが人々の行動を決定し、iPhoneの登場によって生まれた新しいサービスが街にあふれていました。新しい価値や需要を生み、その一方で競争や淘汰も進んでいます(図5)。

図5 破産宣告したサンフランシスコ最大のタクシー会社である米Yellow Cab社の車両
図5 破産宣告したサンフランシスコ最大のタクシー会社である米Yellow Cab社の車両
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 iPhoneの爆発的な普及による世の中の変化を目の当たりにした中で、一つの言葉を思い出しました。

「9年前の今日にはまだ、この世にiPhoneは存在していなかった。次は我々の番だ。10年後に世界が変わっていても不思議ではない」

 発言の主は、電気自動車(EV)ベンチャーの米Faraday Future社の幹部Nick Sampson氏(Senior Vice President of R&D and Engineering)。同社は2016年1月4日に初めてのコンセプト車を披露し、その際にSampson氏が意気込んだのでした(関連記事3同4)。

 Faraday Future社がEV市場を爆発的に大きくさせられるかはまだ未知数ですが、iPhoneの9歳の誕生日にサンフランシスコを歩いてみて、その言葉には妙に納得するところがありました。「世界は変わる」ということだけは確かな気がします。