Philipsの「Lifeline」の開発を支援
Philipsの「Lifeline」の開発を支援
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 「イノベーションの聖地」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは米国のApple社やGoogle社を生んだシリコンバレーでしょう。米国には、ボストン、シアトルなど、他にも名高いテクノロジー・ベンチャーを輩出している都市が数多くあります。イノベーションといえば、米国、そしてベンチャーといったイメージが日本人には強いように思います。  

 しかし、世界の他の地域では、大企業がさまざまなイノベーションを生み出すケースが目立ちます。多くの大企業はかつて自前でイノベーションを起こそうとしてきましたが、最近ではオープンな形で社外のリソースを活用して革新を生み出す動きが見られます。

 そんな大企業のイノベーションパートナーとして存在感を高めているのが、英Cambridge Consultants社です。同社は1960年に英ケンブリッジ大学の産学協同組織として設立され、現在は約600人の従業員を抱えており、その8割を研究者が占めています。ソフトウエアやハードウエア、流体力学、医療機器といったさまざまな分野の専門家が在籍しており、工作機械などの生産設備も備えています。

 Cambridge Consultants社の特徴は、企業と二人三脚でさまざまなイノベーションを生み出すことにあります。

 例えば、オランダのPhilips社と組んで高齢者が倒れた際に自動的に検知して通報する「Lifeline」シリーズを開発しました。ネックレスのように身に付けるペンダント形でヘルプボタンを搭載していますが、ヘルプボタンを押さなくても所有者が倒れたことを検知した場合、自動的に無線で助けを呼べる仕組みで、普及が進んでいます。