12月になると悩むことがある。それは、「ノートパソコン(PC)を買い換えてしまおうかな」ということだ。個人事業主の場合、青色申告をすれば30万円未満のノートPCは一括で経費に計上できるという制度がある。だから、「キーボードがへたってきた」「動きがモッサリしてきた」等々、PCに対するストレスのたまるタイミングがちょうど12月に当たると、「どのみち税金としてお金は出ていくわけだから、新しいパソコンを買って新しい年からまた気分良く仕事をしよう」と師走の家電量販点に駆け込み、「まだ早いかな……まだ使えるかな……」という気持ちを抱えつつ、買い換えてしまうことがあるのだ。

 そして今年も12月がやってきた。今のノートPCを使い始めて丸3年。買い換えの時期としてもちょうどいい。この10年ほど私は米Apple社のノートPCを使ってきたし、新しいモデルも出たばかりなので、またApple社の製品を買うつもりだったのだが、今回は少し迷っている。決断を鈍らせているのは、東芝クライアントソリューションが2016年12月1日に発表したモバイルノートPC「dynabook V」シリーズの存在。発売前なのでレビューはまだメディアのものしかないが、総じて高評価なのだ。

 液晶ディスプレーが360度回転する、昨今流行りのタブレット端末のような使い方もできる2in1タイプ。12.5型で約1.1kgと軽量ながら、上位モデルで最長17時間というバッテリー駆動時間を実現している。これまでdynabookシリーズのキーボードはお世辞にも評価が高かったとは言えず、毎日大量に文章を書くため何よりキーボードの打ち心地を気にする私には魅力が薄かったのだが、キーピッチ19mm、キーストローク1.5mmを確保したという今回発表されたdynabook Vシリーズのキーボードを、メディアは総じて好意的に書いている。