米Apple社が2015年9月9日(日本時間同10日未明)、スマートフォン(スマホ)「iPhone」、タブレット端末「iPad」、テレビ向け配信端末「Apple TV」、スマートウオッチ「Apple Watch」と4つの端末で新製品を発表した。

 近年、iPhoneの新製品がどのようなスペックを搭載するかについては、事前のリーク情報で発表前にほとんど分かってしまう。今回発表された4.7型「iPhone 6s」と5.5型の「iPhone 6s Plus」もそうで、背面カメラを800万画素から1200万画素に引き上げ、動画撮影で4Kを実現すること、ボディカラーに新色のローズゴールドを加わえること、Apple Watchにも搭載された圧力センサーをiPhoneに採用すること、先代の5.5型で「ズボンの前ポケットに入れておいたら曲がってしまった」という苦情が相次いだことの反省を生かし、筐体により強度の高い7000番台のアルミニウム合金を使うことという、4つのセールスポイント全てが事前の予想通りだった。また、これまでのパターンから今年は前年モデルのマイナーチェンジの年であり、先代のようにディスプレーサイズをそれまでの4型から4.7型と5.5型に変えるというような外観上のダイナミックな変化が期待できないと予想されていたが、この予想も当たった。

図●実機レビューで評価が高い「iPhone 6s」のローズゴールド
図●実機レビューで評価が高い「iPhone 6s」のローズゴールド
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 iPhone 6sと6s Plusの発表前の時点で、iPhoneのサプライヤーが集中する台湾のメディアやアナリストらが発する売れ行きの見通しには悲観的なものが多かった。4つのセールスポイントの訴求力がいまひとつで消費者を購入に走らせるにはもの足らないというのがその理由だ。加えて、前年モデルのiPhone 6と6 Plusが大型化への好感で大ヒットした分、その反動が出るだろうという意見が目立った。