日本では2016年8月3日、トヨタ自動車が新型プラグインハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV」の日本国内での発売を、当初予定していた今秋から今冬に先送りすると発表したことが話題になっている。『日本経済新聞』は翌4日付で、トヨタ車としては初めて採用する樹脂製ドアの生産の遅れが発売延期の理由だとしている。

 プリウスPHV発売延期の報とまるでタイミングを合わせたかのように、中国でもPHEVがらみで注目を集めた報道があった。2015年、最も電気自動車(EV)・PHEVを売った中国BYD社(比亜迪)が、中国最大の商業都市である上海で、今年に入って急激に販売を落としているというのである。

 これを報じたのは中国紙『法治週末』(8月3日付)。それによると、BYD社は2015年、新エネルギー車(EVとPHEV)を世界で6万1000台余り販売し、5万1000台余りの米Tesla Motors社を抑えて世界一になった。このうち上海では中国国内販売の約38%に当たる2万2000台を売るなど、同社にとって上海は、販売を支える重要市場になっている。ところが、2016年上半期は、上海で約4000台しか売れておらず、昨年通年の18%を達成したのみ。単純計算すれば2016年は8000台、昨年の36%相当に届くかどうかというという状態なのだという。

 中国の自動車情報サイト大手Gasgoo(蓋世汽車資訊)が2016年8月1日に発表した統計によると、BYD社の同年上半期の新エネルギー車販売台数は前年同期比14%増の4万3000台余り。2万9000台余りで2位のTesla Motors社や、単独車種としては世界で最も売れているEV「リーフ」を擁する日産自動車の2万8000台余りを抑え、BYD社が世界首位を守った。総体的に見れば、BYD社の新エネルギー車は今年上半期もそこそこ売れたのだ。それだけに、通年で前年の36%相当に届くかどうかと懸念されるほど上海が落ち込んだのが目立つのだが、法治週末が原因として指摘するのが、上海が2016年4月、新エネルギー車購入に対する補助金の額を大幅に減額したことである。