スマートフォン(スマホ)のカメラはハイエンドモデルににおいては背面に2つのカメラを配するデュアルカメラが主流になりつつあるが、光学レンズでこれを支えているのが台湾Largan Precision社(大立光)だ。米Apple社の「iPhone 7 Plus」やOPPO社(欧珀)、Xiaomi社(小米科技)、Huawei社(華為)など中国大手への供給で知られる。2017年4月26日には株価が台湾上場企業として初めて5000新台湾ドル(1新台湾ドル=約3.7円)の大台を突破。台湾株購入の最低ユニットである1000株を買うには2000万円近くが必要になる。

 Largan社は利益率が高い企業としても注目を集める。同社が2017年7月13日に発表した2017年4~6月期連結決算は純利益が47億新台湾ドルで、前年同期から28%増やした。粗利益率は66.49%、1株当たり純利益(EPS)は31.14新台湾ドルだった。

 少し古い統計になるが、台湾の業界団体、Photonics Industry & Technology Devlopment Association(台湾光電科技工業協進会=PIDA)は2014年末に発表した同年上半期の統計で、台湾系の精密光学部品業者の売上高約417億新台湾ドルのうち44%をLargan社1社が独占した他、利益にいたっては90%を同社が占めたと報告している。

 高い株価と収益力を評して、台湾では同社のこと「股王大立光」(株の王様Largan社)、「EPS王大立光」(1株当たり純利益の王様Largan社)などと呼ぶ。