米Google社の「Pixel」というスマートフォン(スマホ)をご存じだろうか。同社が2016年10月に発表、発売したスマホだ。同社はそれまでにも「Nexus」ブランドでスマホを出していたが、韓国LG Electronics(LGE)社や中国Huawei社(華為)など、製造のパートナーが開発や設計にも協力していた。これに対しPixelは、Google社が初めて自社で独自に開発、設計したスマホということで話題になった他、同社開発の人工知能(AI)「Google Assistant」を搭載した初のスマホということでも注目を集めた、価格650米ドルからのハイエンド機だ。ただ、販売されているのは今のところ北米、欧州、インドなど10カ国・地域に満たず、日本や中国では未発売。日本での知名度が今ひとつなのは致し方ないところだろう。

 そのPixel、製造は5型の「Pixel」、5.5型の「Pixle XL」とも、台湾HTC社(宏達電)が独占的に手がけている。2017年秋には第2世代の発売が見込まれ、中国のWebメディアなどには今年の初頭あたりから第2世代の試作機だとする画像が流出し始めている。ただ、EMS(電子機器受託製造サービス)、ODM(Original Design Manufacturer)業界の関心は早くも2018年投入の第3世代に移っている。

 Pixelの製造についてEMS業界では、初代機が出る前の2016年春ごろまでの時点で、Google社とHTC社が3年契約を結んだとの見方が有力だった。ただ最近になって、両社の契約は2年であり、3代目の製造を巡る受注争いが激しくなっているとの声が聞こえ始めている。