泊まりがけの出張時に悩ましいのがパソコンのバックアップだ。

 私が使っている米Apple社のパソコン「Mac」シリーズには「Time Machine」というバックアップ機能がある。外付けのストレージに接続しておくだけで1時間おきにパソコン丸ごとのバックアップを自動で取ってくれるというもの。最近はパソコンのストレージが基本モデルでも128Gバイト程度はあるので最初にバックアップを取る際には1時間単位の時間を要するが、その後は1時間ごとに3~4Gバイトの新たなファイルやデータを上書きするだけなので所要時間はほんの数分で済む。繰り返しになるが、これらの作業は自分でやる必要がなくパソコンが勝手にやってくれるので、「あ、バックアップとらなきゃ」と気を使ったり手を動かしたりする必要がない。

Apple社のパソコン「Mac」のバックアップ機能「Time Machine」
Apple社のパソコン「Mac」のバックアップ機能「Time Machine」
希望の日時の状態にパソコンを戻すことができる。
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 パソコンが突然フリーズして数時間を費やして書いた長い文章がファイルごと消えてしまい、ワープロソフトの救済機能も働いておらず、「イチから書き直しか……」と絶望的な気分になりかけた時も、Time Machineで1時間前の状態にパソコンを丸ごと戻したら、フリーズで消えたファイルが1時間前の状態で残っていて、被害を最小限に食い止めることができた、ということもあった。

 パソコンを買い換えた際のデータの引っ越しも、Time Machineで取っておいたバックアップを保存してあるストレージに新しいパソコンを接続するだけでほぼ完了してしまうのでとても楽だ。難点は、違うのはハードウエアの外観だけで、中身はデスクトップに貼り付けておいたファイルの配置からフォルダまで、さっきまで使っていた見慣れた古いパソコンとまったく同じになるので、新しいパソコンを買ったんだ、という気分に乏しくなってしまうところだろうか。